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パティシエ科職種研究
菓子製造技能士検定の資格をとるのは難しいのか
パティシエとしてのステップアップを目指したい。
あるいは、一流のパティシエとして活躍の場を広げたい。
「菓子製造技能士検定」はそんな方が必ず取得すべき、国家資格です。
パティシエを目指して専門学校で学ばれている方、あるいは見習いや修行中の方は取得をあせる必要はありませんが、その内容を知っておくことは有益ですから、こちらで確認しておきましょう。
菓子製造技能士検定の受験資格・合格率は?
菓子製造技能士検定とは
菓子製造技能士検定には「洋菓子製造技能士」「和菓子製造技能士」が存在し、共に1,2級が用意されています。
原則として実務経験が必要となることからも分かるように、知識のみならずパティシエとしての経験と腕も問われる試験なのです。
試験は「学科」と「実技」から構成され、それぞれ別の日におこなわれます。
一般的に「プロのパティシエ」という、定義の曖昧な言葉がよく使われますが「菓子製造技能士検定の合格者」こそ、自信を持って「プロのパティシエ」と名乗ることができるかと思います。
菓子製造技能士検定の受験資格
今回は菓子製造技能士検定2級の受験資格をご紹介します。
受験資格は以下の通りです。
1.実務経験のみならば2年以上
2.受験する職種に相当する学科を専攻した者
3.検定職種と同一の職業訓練を受けた者
2番目の「受験する職種に相当する学科を専攻した者」とはつまり「専門学校、短大、高専、高校専攻科などの卒業生」という意味です。
3番目の「検定職種と同一の職業訓練を受けた者」とは「職業訓練の指導員資格を持っていたりその訓練を終了した者、段階ごとの職業訓練を終了した者」などを指しています。
菓子製造技能士検定の合格率
菓子製造技能士検定2級の合格率は、およそ50%以下のようです。
合格率が70%程度と考えられている「製菓衛生師」などと比較しても、その難しさがお分かり頂けることでしょう。
合格するための勉強のコツとは?
ご自分の経験と知識を結びつける努力を
菓子製造技能士検定では「学科」と「実技」の両面から詳細に知識や腕前をチェックされます。
実技対策に関して言えることは「実務経験と知識を頭の中で結びつける」という方法が効果的ということです。
実技では「材料の選定」「生地の調整」「成形加工」「熱加工」「仕上げ」が問われます。(1級のみ、製品検査、デザイン、積算および見積りなども出題されます)
いずれも菓子作りの基本ですが、慣れてくると、頭で考えなくとも何となくできてしまうものです。
これをあえて「なぜこの工程では、この処理や注意が必要なのか」と問いかけることが、検定の合格には必要かと思います。
このような問題意識を明確にした上で、自らの弱点を洗い出し、練習を重ねましょう。
製菓衛生師の復習をするのも効果的
菓子製造技能士検定の「学科」の出題範囲は「食品一般」「菓子一般」「関連法規」「安全衛生」「菓子製造法」となっています。
これは「製菓衛生師」の資格試験における出題範囲と重なる部分があるため、製菓衛生師合格者も、あえてその復習をすることが効果的です。
もしも理解の甘い点があれば、深く突き詰めて1つずつ理解し、覚えていきましょう。
「急がば回れ」という言葉通り、過去の学習をあえて振り返るという方法は最良の学習法の1つと言えるかと思います。
まとめ
今回はステップアップを目指すパティシエ向けの資格の1つである「菓子製造技能士検定」をご紹介しました。
検定は年に1度の開催なので「絶対に取得したい」という気持ちもよく分かりますが、むしろ「検定の勉強を通じてご自分のウィークポイントを発見する」ということが、パティシエとしての成長を考えた時に最も大切な点ではないでしょうか。
自らのウィークポイントを見つけ、それを追求し、1歩1歩着実に技能・知識を身につけるように心がけて下さい。